淡窓伝光霊流深田光霊宗家

若き日の深田光霊宗家

明治43年2月17日、大分県大野郡上緒方村木野(現 豊後大野市緒方町)にて生まれる。本名、深田光(ひかる)

母イチヨが民謡と吟詠を得意とする美声の持ち主で、幼き頃に母の背で聞いた詩吟が原体験となる。また近隣に咸宜園にて学んだ吟詠家が存在したこともあり、竹田地方の宜園調(=淡窓流)詩吟と接する。

昭和初期、文武両道に秀でた青年であった深田光は、上京して国学院大学高等師範部に入学。吟号を「光霊」と称し、東京にて学生詩吟連盟を主宰。学生吟詠家「深田光霊」として頭角を現す。吟号「光霊」の「光」は本名に由来し、「霊」は言葉に宿る力を表す「言霊」にちなむ。

昭和六年、新潟県新発田商工学校に国語・漢文教諭として赴任。

昭和七年、学聖・詩聖・吟聖として知られる広瀬淡窓の私塾・咸宜園(桂林荘)の生き証人である清浦奎吾元首相が吹き込んだ宜園調詩吟のレコードを手掛かりに、その淡窓流詩吟(宜園調)の分析・研究を開始。昭和九年、NHK新潟放送局の開局記念として詩吟「本能寺」を吟じ、大きな反響を呼ぶ。深田光霊はこの頃、淡窓流詩吟を現代音楽の観点から再構築し、新たに情緒溢れる独自の吟調を確立したとされる。昭和十三年、大分県日田市の広瀬淡窓の末裔である広瀬家の許可を得て淡窓流二代目家元を継承し、淡窓伝光霊流日本詩道会を発足。初代会長・宗家となる。

淡窓伝光霊流の特徴

淡窓伝光霊流の特徴は、淡窓流の吟風から受け継いだ「素朴」「気魄」「気品」を元にした詩道十訓の精神と、主に「三つ山」「四つ山」と呼ばれる独自の抑揚の付け方に息づく技にあります。深田光霊宗家が研鑚を重ねた結果生まれた、詩の心を深く理解することで生まれる音楽的な「あや」と、感情の起伏に応じた情緒溢れる即興性によって節回しを変化させる吟調が、淡窓伝光霊流の特色です。

深田光霊と淡窓伝光霊流の歩み

大正11年
大分県立竹田中学校(現竹田高等学校)入学。
昭和2年
国学院大学高等師範部に入学し。国文学を折口信夫、漢詩作法を新田興、言語学を金田一京助各教授に学ぶ。
昭和3年
東京で学生詩吟連盟を主宰。吟号を光霊とし、発表大会を開催。
昭和6年
新潟県立新発田商工学校に国語・漢詩教諭として着任。
昭和7年
咸宜園塾生だった清浦奎吾伯爵が吹き込んだ宜園調詩吟のレコードから、淡窓伝光霊流の吟調を学ぶ。
昭和9年
NHK「新潟放送局開局記念」に詩吟「本能寺」をラジオ放送。これを契機に淡窓伝光霊流の吟風を確立。
昭和12年
大分県立中津中学校(現中津南高等学校)に転任。この年、NHK小倉放送局の「放送適格者」に合格。
昭和13年
中津吟詠会(中津詩道会の前身)の宗師範となる。この後、日田の広瀬家の許可を得て、淡窓流二代家元を継承し、淡窓伝光霊流日本詩道会を発足。初代会長・宗家となる。全国各地における詩道会結成の出発点となる。
昭和14年
「NHK全国放送適格者証」を受領。その後、NHKラジオ・テレビの全国放送は300回以上に及ぶ。
昭和20年
大分県立竹田中学校(現竹田高等学校)転任。
昭和28年
大分県立三重高等学校校長として着任。同年九月より米国へ4ヶ月の特別研修留学。以後、大分県内の高等学校校長を歴任。
昭和32年
日本詩道会の中核となる大分詩道会発会。以後、県下各地に次々と詩道会が発会し、宮崎、鹿児島、佐賀、沖縄、四国、大阪、名古屋、関東と県外にも広がる。
昭和43年
財団法人日本吟剣詩舞振興会の発足にあたり常任理事に就任。
昭和47年
日本コロムビア吟詠音楽会会長に就任。
昭和49年
国民芸術文化功労者として文部大臣賞を受賞。
昭和52年
吟詠普及と後進の育成、公共の利益に貢献した功績により藍綬褒章を受章。
昭和54年
吟詠の振興発展に寄与した業績により大分合同新聞文化賞を受賞。
昭和54年
「淡窓伝」を特許庁に第1394073号として登録。
昭和55年
吟詠芸術訪米使節団の副団長としてロサンゼルスとサンフランシスコを親善訪問。以後、昭和59年、第2回米国公演、平成3年、ブラジル公演。中国へは、昭和59年、62年、平成元年に、武漢を中心に日中親善文化交流を行う。
昭和61年
(財)日本吟剣詩舞振興会より吟詠の芸術面での卓越した功績に対し吟剣詩舞大賞芸術賞を受賞。
平成元年
永年教育功労に対し勲四等瑞宝章を受章。
平成15年
7月7日逝去。享年93歳。

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